認定樹花|個人会員様
藤立 勇人 様
英名・学名
アヤメ科
英名:iris
学名:Iris L.
解説
あやめ科に属するアイリスは宿根草で、水辺、湿原に自生しているのをよく目にする。
野生種は紫色の花をつけるものが多く、五月(5月)、水無月(6月)の雨後、ひときわ存在感を増し葉上の水滴は銀色に輝き風情をそそる。
尾形光琳の『燕子花図』(かきつばた ず)は、密集した紫花を連ねて描いた屏風図で迫力満点である。
ショウブとアヤメは、漢字が同一(菖蒲)であることから混同されるが、実は、別物で、ショウブはサトイモ科の多年草であり、地味な花をつける。
我が国に自生しているアヤメはアイリスであり、美しい花をつけるハナショウブを想像する。
アイリスは、ギリシャ語で虹を意味し、青紫、紫、黄の花色のものも知られており、ジャーマンアイリスは紫花や赤紫花が一般であるが、ダッチアイリスは黄花や白色と黄色のツートーンカラーのやや大型の花をつける。
アヤメは乾いた場所でも育つがカキツバタやハナショウブは湿地を好む。
知と勇気の象徴とされる「アイリス」だが、その名の響きは高貴で落ち着いた紫色の代名詞のように思える。
解説:小林昭雄