ミカン科の常緑低木。またはその果実のこと。様々な栽培品種があり、食用として利用される。日本の代表的な果物であり、冬になれば炬燵の上にミカンという光景が一般家庭に多く見られる。単に「ミカン」と言う場合も、普通はウンシュウミカンを指す。
株式会社イマイチ
「蜜柑との出会い」
現代は多種多様な果物が世界中から輸入され市中に氾濫している。消費者は何を選んだらよいのか苦心しなければならない。
私の子供の頃、時期になれば炬燵の上に山盛りに入れた蜜柑籠があった。今でも我が家では季節が来ればテーブルの上に山盛りの蜜柑籠が置いてある。そろそろ極早生温州蜜柑が出回ってきた。甘酸っぱい味で、食べれば少々身震いする。子供の頃の経験は死ぬまで忘れないと言う。私もこの経験が嵩じて蜜柑農場と加工工場まで作ってしまった。
今や日本の果物農場は輸入果物に押され、又後継者不足で激減している。果物のみならずコメ農家も無くなりつつあり、自給率の低い我が国を一人憂えている。激動の世界、日本の食料事情を考える人が増えて欲しいものである。
5月、梅雨の始まる前になれば蜜柑の花が一斉に咲き誇る。周りにジャスミンの様な香を放ち、爽やかな気分にさせてくれる。この花が甘い蜜柑を付けてくれる。
童謡「蜜柑の花咲く丘」を思い出す。父の帰りを待つ母と子が浮かんでくる。激動の世界、再び戦乱に巻き込まれるかもしれない。戦後の童謡を聞きながら記憶を呼び戻すことも大切かもしれません。
辻製油株式会社 代表取締役会長 辻保彦