司会:智の木協会理事 大河内 基夫 氏
開会のご挨拶:智の木協会 専門委員 掛川 敏幹 氏
(富国生命保険相互会社 不動産部長)
景気・オリンピック・大阪万博等、多岐にわたってお話いただき、特に大阪万博との関連について、「大阪万博のテーマは“いのち輝く未来社会のデザイン”で、健康、医療、農業、食品などの分野がクローズアップされています。智の木協会は、植・食、健康をテーマに活動していますので、かなり親和性が高い集まり、組織だと思います」と述べられました。」
また、「本日の講師、川西様につきましては、非常に関心の高いテーマで、しっかりお聞きしたい」と期待感を示されました。
講演:川西 修 氏
(幸南食糧株式会社 取締役会長、「川塾」会長、智の木協会 企業会員)
「ちょっとの気づきで企業も人も変われる-激動期における小さくても元気な一流企業の作り方-」
川西氏は機会ある毎に「気づき」が大事であるとおっしゃっています。人はどんなに立派な訓示や助言を受けようとも、本人の「気づき」無くては変わりようがありません。当日、「気づき」その「きっかけと実践」について具体的にお話をしていただきました。
「挨拶は一流企業の原点である」。こう言い切れることに辿り着かれた川西氏。どんなに会社を大きくしたいと思っても、そのために広報や営業を頑張っても、基本は何なのかに気づかなければ先へは進めません。川西氏は「社内挨拶ができない者は一流の挨拶はできない」また、清掃活動を通して「小さなことを一流にしていけば会社も一流になる」を信念に一日一人ゴミを2個拾う「一日2運動」を進めてきておられます。
米問屋に就職された川西氏が厳しい仕事を乗り越えられたのは「小さくてもいい、何かをやってみたい、頑張って両親を楽にさせてやりたい」という思い、夢、目標を持っていたからこそと話されました。そして、目標とは「人生をデザインする道具」であると述べられました。どんな職業についても我慢すること、諦めないことが必要であると気付かれた川西氏は、苦労があっても苦労という言葉は使わず、努力という言葉をたくさん使うようにしてこられたそうです。
努力する人は夢を語ると思う、とも述べられました。楽して成功するような魔法の方法はどの業界にも無いと思う、人の3倍成功したいなら3倍努力するしか仕方がないと思うとおっしゃいました。「みんな成功できるパスポートは必ず持っている、成功できるパスポートがあるから価値と魅力がある、しかし、成功という扉は自動ドアではない、努力した人しかその扉は開かなくなっている、努力した人は報われると思う、努力した人は嘘をつかないと思う」と続けられました。どの言葉にも説得力があります。
8年後、独立された川西氏、追い風の時でも中小企業は危機感を持つ必要があるとおっしゃっています。「挨拶」が社運を左右することに出くわされたことが、大きな転換に繋がりました。大きな取引先からある日突然「取引をやめる」と宣言されたその理由が「お宅の社員は挨拶ができない、品物をぞんざいに扱う」という指摘に愕然とされた川西氏は、その時2つのことを学ばれたそうです。
①物のクレームから人のクレームの時代が来た。
②三割を占めるお客さんを顧客としてはいけない。
会社で川西氏は社員が挨拶ができなかったこと、品物の扱いについてなど社員を責めるのではなく「責任は自分にある」とした上で「朝も帰りも挨拶もできない集団が、お客さんの心に響く仕事・挨拶は無理だから、先ず、社内の挨拶を一流にしよう」と提案されました。社員から「売り上げに直結するのか?気恥ずかしい」などなどの発言に「当り前のことがこれだけ難しいのか・・・では、それをどこよりも素晴らしくやり遂げた時には、それが価値あるものになる、企業の魅力になる」と気づかれた川西氏。さっそく実践されました。1日目、2日目は何とか声が出ていましたが、3日目にはほとんど挨拶が無くなってしまったそうです。挨拶一ついかに難しいかが伺えます。川西氏は、何かを変えたい、何かを形にしたいというイメージを持つならば我慢が必要とおっしゃっています。
そのうち、一緒に「社内挨拶」に取り組むと社員自から申し出があり、「社長、どうせ挨拶するんだったら握手してやろう」とも言われ、びっくり。理由を聞くと「握手すると相手の元気さと心のぬくもりを感じるから」と。次に彼は挨拶に「名前をつけましょう」と。それも「元気体温計挨拶」。結果三年半かかったそうですが、職場が元気になった、職場が明るくなった、職場のコミュニケーションが取りやすくなった、積極性が出てきた等々、といいとこずくめです。
その後メディアからの取材の申し入れがあり、放映されるとその反響は予想以上で、新卒採用ができるようになった現在の社員の平均年齢は31歳だそうです。
ご参考になれば、とお話になった言葉、「部下を変えようとするところに問題がある、自分が変わらなければ周りは変わらない」「名刺の肩書が大きくなればなる程、自分で気づくしかない。社員は気づいていても言わない」。
また、社員が多くなれば各部署のリーダーが必要になってきますのでリーダー候補をつくり上げておられるそうですが、リーダー候補とは「挨拶の上にもう一言付け加えることができる人」だそうです。「選ばれる企業には、選ばれる人がいる」「これからの企業格差は、人で格差が付く時代を今迎えている」それぞれの言葉に重さを感じます。そして、川西氏は、身だしなみは一瞬にして「こんな人」と感じてもらいますので、非常に大切だと、本日、智の木協会でのご講演を意識して「緑のネクタイ」を結んでお越しくださいました。それに加えて出す声は企業の業績に比例すると思うとおっしゃいました。小さな声の企業は長持ちしないとも。
挨拶は人の心をも変えます。「挨拶が一流」「きれいが一流」「元気が一流」、これらが一流の原点と言い切られる川西氏です。
Q.レジュメの「経営の三感王」について質問がありました。
①危機感を持ち続ける。
②存在感・・・周辺でタクシーの運転手に聞かれても、誇りに思われるような会社をつくらないといけない。日本一美しい会社をつくろう!「美しい」会社は、最高のセールスマンの会社になる。「一日2運動(一人一日ゴミを2個拾う)」小さなことを一流にすれば、大きなことも一流になっていく。それを運転手が宣伝してくれる。
③責任感・・・リーダーは「私の責任です」と言えること。
川西氏は、「関西発仕事コンソーシアム~“夢”やってみなはれ勉強会~」の会長も務めておられます。
最後に、「社団」テラプロジェクト理事長、智の木協会代表幹事 小林昭雄氏より、“夢”やってみなはれ勉強会発足の経緯についての説明がありました。
コメント