〇日 時:2025年5月14日(水)<講演会:16:00~17:40、交流会:17:45~19:00>
〇場 所:富国生命ビル4FまちラボAルーム 〇参加者:42名
○司会進行 大河内基夫 事務局長
大河内基夫事務局長から智の木協会「創立17周年記念講演会」の開会宣言がなされ、主催者挨拶ならびに智の木協会の近況報告を小林代表幹事からお願いする旨の紹介があった。

開会挨拶ならびに活動報告

〇智の木協会 小林 昭雄 代表幹事
本日は智の木協会の創立記念講演にご来場いただき、誠にありがとうございます。智の木協会は2008年5月8日に設立いたしました。本協会設立の経緯を、改めてご紹介させていただきます。富国生命様が主催されていた講演の場で、「生まれたときに花束をもらうように、誰もが花とともに人生を歩んでいくことができたら」という想いをいただきました。その考えに共鳴し、「平和を愛する心」を持つ多くの方々が、植物や花といった自然を通して心を通わせることができるような組織をつくりたいと考えたことが、智の木協会設立の出発点となりました。
こうして誕生した智の木協会は、設立以来、自然や緑を通じた啓発活動や地域貢献を続けてまいりました。例えば、すぐ近くにある扇町公園では、大阪市による公設民営方式の指定管理制度のもと、大和リース様、関西テレビ様等と連携し、20年間の運営を見据えた活動を展開しております。その一環として、私たちは「緑の発信地」としての役割を担うべく、さまざまな取り組みを進めています。最近では、「キッズフリマ」という子ども主体のフリーマーケットを開催し、子どもたちが不要になった物を自ら値付けし、別の子どもたちに手渡す活動を通して、リユース精神や社会参加の意識を育てています。得られた収益は「キッズ緑基金」に寄付され、市内の緑化活動へと活かされています。 このように、智の木協会は自然と人とをつなぐ架け橋として、多様な活動を続けております。現在の指定管理は20年間の契約となっておりますので、引き続き皆さまのお力添えを賜りながら、緑のある暮らしの普及と文化の継承に努めてまいります。
本日はご多忙の中、ご参加いただき誠にありがとうございました。今後とも変わらぬご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
創立17周年記念 開会挨拶

智の木協会 武田 剛 専門委員
(富国生命保険相互会社 不動産部長)
富国生命保険相互会社 不動産部長の武田でございます。相互会社とは、生命保険会社にのみ認められた特別な会社形態です。契約者の皆さまが互いに支え合い、「万が一のときに備える」それが生命保険本来の姿であり、弊社は1923年の創業以来、この相互会社制度を堅持してまいりました。現在、この制度を守り続けているのは、国内では弊社ただ一社となっております。2010年に竣工した現在のビルも、早いもので今年で15年を迎えます。以前は昭和30 年代に建てられた旧ビルで、屋上にビアガーデンを設けていた時代もございました。その旧ビルから現在の建物へ移転する際、小林先生とのご縁が始まりました。生命保険の本質は、万が一に備える「相互扶助」の精神です。皆さまからお預かりしている保険料は、こうしたビルの建設や不動産の運用などにも活用されております。なお、弊社ではこのたび、15年ぶりに代表者が交代いたしました。新体制のもと、新たな目標に向かって全社員一丸となり、これからも誠心誠意取り組んでまいります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
創立17周年「記念講演」「竹久夢二 ~生誕140年を迎えて~」

〇講 師:小嶋 ひろみ 氏
(夢二郷土美術館館長代理・学芸員)
夢二郷土美術館は、画家・詩人・デザイナーとして知られる竹久夢二(1884~1934)の故郷・岡山にあります。夢二は岡山市出石町に生まれ、15歳で金沢へ、そして18歳で東京へ上京しました。正式な美術教育は受けておらず、独学で絵を学び、雑誌『中学世界』への投稿がきっかけで挿絵画家としての道を歩み始めました。以後、夢二は多くの表紙絵や本の装丁、デザインなどで活躍し、いわゆる”夢二式美人”と呼ばれる哀愁を帯びた女性像で一世を風靡することになります。
夢二の創作は多岐にわたり、詩、デザイン、絵画、工芸、商業デザインにまで及びます。彼は「美しい生活」を提唱し、芸術を日常生活に取り入れる活動を行い、千代紙、浴衣、雑貨などのデザインも手がけ、日常品に芸術性をもたらしました。また、画廊の先駆けともいえる「港屋絵草紙店」を東京・日本橋に構え、絵はがきや絵封筒などを販売し、芸術をもっと身近なものにしました。
夢二の活動は国内にとどまらず、1931年に憧れの欧米旅行へ出発。約2年間アメリカとヨーロッパを巡り、現地での創作にも取り組みました。しかし、帰国後の1934年、長野県富士見高原のサナトリウムで結核のため50歳で死去。画家としての円熟期を迎える直前の早すぎる死でした。

夢二郷土美術館は1979年に開館。1984年に岡山市の後楽園近くに本館を開設し、現在は本館と夢二の生家を改修した分館(瀬戸内市邑久町)で構成される。夢二が理想とした「美しい暮らし」を伝えること、そして夢二芸術の再発見・発信を目的として運営されています。美術館では夢二の代表作である肉筆画、版画、詩文、日用品のデザインなど、あらゆるジャンルの作品を収集・展示している。特に近年は、夢二の油彩画の再発見が相次いでおり、2023年には長らく所在不明だった油彩《アマリリス》が美術館に収蔵された。この作品は夢二が当時16歳のモデル「お葉」を描いたものとされています。また、夢二が米国滞在中に描いたとされる《西海岸の裸婦》も、2015年にロサンゼルスで再発見され、現在は本館で所蔵されています。これらの新発見作品は、夢二の多面的な表現力を再評価する重要な資料として注目されています。こうした資料の公開とあわせて、夢二芸術の魅力を伝える取り組みとして、美術館では子どもたちを対象とした教育活動も積極的に行っています。2011年からは「こども夢二新聞」プロジェクトを開始。小中学生が夢二の作品や人物について自由に新聞を作成するこの取り組みは、毎年約100点が応募され、優秀作品は館内に展示されています。2012年からは「こども学芸員」制度を設け、新聞参加者の中から希望者を募り、年に回の勉強会を実施。夢二や作品への理解を深め、最終的には作品解説のギャラリートークも体験します。子どもたちが作品と向き合い、自分の言葉で語る姿に、夢二が現代にも息づいていると実感することができます。最後に、夢二の描いた一輪のアマリリスの花の意味からも、夢二は美しいものを見つめ、美しい生き方を模索し続けた人。そのまなざしを今、私たちが引き継いでいるのです。
閉会の挨拶

智の木協会 澤村 佳成 専門委員
(清水建設株式会社 関西支店 営業部長)
本日は岡山より、夢二郷土美術館の小嶋ひろみ先生をお招きし、「竹久夢二生誕140年」をテーマに、非常に興味深いご講演を賜りました。講演を拝聴し、夢二という人物が画家・詩人・デザイナ ーとして多彩な才能を発揮されていたことを改めて 知り、大変感銘を受けました。「アマリリス」の花の話や、米国滞在時の作品についてのお話は特に印象的でした。岡山にある夢二郷土美術館を、ぜひ一度訪れてみたいと感じております。また、先ほど富国生命様よりご紹介がありましたように、この大阪国際ビルは2010年に竣工し、私ども清水建設もその計画・建設に携わらせていただきました。旧ビル時代からの歴史を引き継ぎながら、この場が皆さまの交流と活動の拠点として機能していることを非常に嬉しく思っております。
最後になりますが、本日ご参加の皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、簡単ではございますがご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
会員交流会

月桂冠(株)秦専務からの冒頭挨拶




以上
コメント