智の木協会「第13回シンポジウム」講演録

  • 日 時:令和2年11月20日(金) 17:00~18:30
  • 場 所:「まちラボ A ゾーン」
  • 参加者:会場参加 20名(事務局含む)
        リモート参加 3名    計: 23名
  • 開 会:(大河内基夫理事/事務局長)
  • 開会挨拶:(富国生命保険相互会社 浅見直幸 専門委員 代理 山岸朋行 氏)

平素より会員の皆様には、「智の木協会」の活動に対してご支援を賜り厚く御礼申しあげる。世界中で新型コロナウィルスの感染拡大もあり、落ち着かない日々が続いている。
「智の木協会」では、年初3月から5月までの事業については、一部中止・延期はあったものの、6月以降はリモートも活用して事業活動を再開した。今後もアナログとデジタルが共存するニューノーマルなスタイルでの事業活動を進めてまいりたい。アフターコロナを見据えると「智の木協会」は、グリーンリカバーの担い手としてその存在価値が益々高まってくるものと期待している。
本日は、これから大阪市立天王寺動物園 牧 慎一郎 様より「動物園改革」をテーマにご講演いただくが、こうした滅多に聞くことができない知識や教養を見聞できるところも「智の木協会」の大きな特徴である。会員の皆様には、引き続き当協会へのご支援、ご協力を切にお願いする。


  • 智の木協会」活動報告:(小林昭雄代表幹事 <(一社)テラプロジェクト理事長>)

冒頭、「智の木協会」のここ1年の主な活動(第12回シンポジウム、新年講演会、創立記念特別講演会)と大河内事務局長が中心となって進めている「智の泉談話会」活動についての報告があった。
続いてテラプロジェクトとの連携事業として、昨年10月の「松ノ浜グリーンフェス」(共催:テラプロジェクト、後援:智の木協会)や、11月4日の御堂筋イルミネーション点灯式、長野県と大阪観光局との包括連携協定調印式へみどりのサンタで参加した。
その直後の11月6日には、大阪観光局との共催で“Green Hospitality Osaka 国際シンポジウム”を盛大に開催し、「みどりでおもてなしOSAKA」を発信した。

こうした活動の延長線上で「日本みどりのプロジェクト」という全国組織を本年10月25日に東京で立ち上げた。全国の都道府県の首長が中心となり5つのプロジェクト(①2025大阪・関西万博「日本の自然のショーケース」プロジェクト、②Green Recovery プロジェクト、③Go Greenプロジェクト、④One Green プロジェクト、⑤National Park(ナショナルパーク)プロジェクト)に取り組んでいくことになった。
この中で特に、④One Green プロジェクトについては、これまでの智の木協会とテラプロジェクトが実際に取り組んできた事業そのものがプロジェクト化されたと言える。

当日は、国から小泉環境大臣にも基調講演いただき、今後の本プロジェクトへの期待を述べられた。
この組織の中で、事務局としてテラプロジェクトがその一翼を担うとともに、協力団体として「智の木協会」も構成メンバーに認めてもらうことができ、本プロジェクト内で“みどり”の牽引役として、今後の「智の木協会」の拡大・発展に大いに寄与するのではないかと期待している。

  • 講 師:牧 慎一郎 氏
        大阪市立天王寺動物園 園長
        <兼>大阪市建設局動物園改革担当部長
  • 題 目:『動物園改革~天王寺動物園を事例に~』

冒頭、自己紹介の中で中央官庁時代に取り組まれた幅広い仕事(科学技術庁での原発対応など)や、動物との様々な関り(テレビ出演等)、世界中の動物園の詳細な研究等について、様々な事例や珍しい写真、さらには参加者向けのクイズも織り込んだ楽しいお話があった。

現在の職務についた経緯としては、動物・動物園好きの上に、“幸運の女神は前髪しかない”という想いで2013年の大阪市公募制度(動物園改革担当部長)に応募し、橋下市長時代の平成26年7月に天王寺動物園園長として採用された。

天王寺動物園は、1915年設立、都会のど真ん中に立地し、あべの・天王の賑わいの一角にできた。
現在は、180種、約1,000点の動物がおり、大きく北園(アフリカ・サバンナゾーン)と南園(アジア・ホッキョクグマゾーン)に分けて管理しており、昔の分類学的な展示から生態的な展示に整理・見直しを進めてきたところである。
ちなみに天王寺動物園での人気投票では、ホッキョクグマとトラが人気。
また、平成以降は、ピーク時には、220万人の動員があったが、私が着任する直前は、年間116万人の来場者まで落ち込み、問題点の洗い出しと改善が喫緊の課題で、その解決のために園長の一般公募が行なわれた。

今どきの世界の動物園の考え方は、野生動物の保護施設(Conservationセンター)の色合いが強く、野生動物の絶滅に加担するのではなく保全の使命が大きくなっている。
また、日本動物園・水族館協会では、動物園や水族館には、①レクリエーション、②教育(環境教育含む)、③種の保存、④調査・研究 の4つの目的があると発信している。
特に、種の保存については、国内外の動物園が繁殖の協力をしないと種の保存ができないのが現実で、我々も世界中の動物園と協力体制を敷いて、種の保存や生物の保全にあたっている。
現在では、動物福祉というドメイン(精神衛生を考える)が加わっている。

現在の天王寺動物園の改革については、平成28年に「天王寺動物園101計画」を策定し、各種改善に取り組み入場者も約170万人まで戻ってきた。
主な施策としては①ナイトズー導入、②生態展示改善、③売店改革、④動物園の組織改革の4点である。私は、改革にあたり「できない理由を探すのではなく、
どうできるかを考える」「制度上無理なものは仕組みを作る」を信念に取り組んできた。天王寺動物園は、4月から新しい法人に生まれ変わるが、引き続き皆様に愛される動物園を目指して行きたい

  • 閉会挨拶:(清水建設株式会社 豊田桃介 専門委員)

園長様、ご講演ありがとうございました。
私自身も動物園には幼少の頃から色々な想い出もあり、大変興味深く聴かせていただいた。
特に、動物園を取り巻く課題への改革に手腕を発揮されていることに感服した。

会員の皆様には、日頃より智の木協会の活動にご理解、ご協力いただきありがとうございます。このコロナ禍の中で、智の木協会もリモートを活用した事業活動を展開するなど厳しい状況が続いているが、今後とも理事や事務局の皆様と知恵を出しあって、事業活動を進めてまいるので、引き続きご支援の程よろしくお願いする。以 上。

(文責:滝本裕次)


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