第12回 智の木協会ワークショップ レポート

  • 日時:平成30年7月13日(金)
  • 会場:大阪富国生命ビル4階 「社団」テラプロジェクトAゾーン

司会:智の木協会 理事 大河内 基夫 氏

開会のご挨拶:智の木協会 専門委員 豊田 桃介 氏
(清水建設株式会社 関西支店 開発営業部長)

智の木協会専門委員の豊田氏から開会のご挨拶をいただきました。最初に、参加者の皆様に、ご参加と智の木協会の活動に対するご支援のお礼を述べられました。
 本日の講師の緑・匠 又右衛門(金岡信康氏)については、「創業明治13年、日本で最も古い花卉園芸会社の代表を務められている一方で、世界をフィールドにしてみどりのプロデューサーとして活躍されています」と紹介されました。「その活躍は、テレビや雑誌などでも拝見することができますが、本日は直接お話をお聴きできますので、ご期待ください」と締めくくられました。

智の木協会と関連行事に関する説明:智の木協会 代表幹事 小林 昭雄 氏

智の木協会が関わる事項について説明がありました。5月に、「うめきた2期開発事業者募集」があり、昨日(7月12日)開発事業者決定通知が届いたことをお知らせいただきました。
 その事業者の中に、「社団」テラプロジェクトも入れていただけたそうです。みどり化を進める活動を運営しているのは「社団」テラプロジェクトですが、その中心となる組織は智の木協会であることを強調されました。
 2期の開発事業者として、三菱地所(株)を代表とするグループに決定、その中に阪急、竹中工務店等が入り、それに協力するという形でテラプロジェクト、智の木協会が入っているそうです。うめきたの場所の説明があり、公園などに智の木協会の“智”を入れていくということで、参加要請があり採択されたということです。

 コンセプトは、共に考え、一緒に創る“with”イノベーション。関係性を中心においた大阪発イノベーションの仕組み「みどり」がつなぐうめきた共創エコシステムです。「ハンガリーのヘレンド社のカップ&ソーサ―に大文字の“MIDORI-SANTA”を入れていただきましたが、“みどり”のコンセプトの中にも大文字の“MIDORI”を使っています」と代表幹事。
 また代表幹事は、「色々な形で社会提言できていますし、ここ3年間皆様のご協力をいただいて花壇作りという実装もできています。着実にその思想がまちの中に浸透してきていることは、喜ばしいことです」と述べられました。

 続いて昨年も行われた「植育」イベント、みどりのサンタの「植・食、健康」フェスタ2018シンポジウムについての説明がありました。今年は、9月から12月までの4か月間行われます。9月14日オープニングシンポジウム、「第1回アーバンアグリカルチャーの目指すところ」については、「第1次産業から第7次産業、Joyful Agri.へ」というテーマで、大阪府と共に進めますが、我々としては近郊農業の形をジョイフル・アグリとして提案していきます」と新しい単語が飛び出し興味をそそりました。また、9月28日開催の「名木シンポジウム」については次のような説明がありました。「日本にはお寺お宮がありますが、衰退してきています。そこでお寺お宮を巻き込んで新しい活動をということで、金岡先生、木の神様を祀ってある伊太祁曽神社さんに思いを伝えたところ、伊太祁曽神社に新しい祭をつくる話が持ち上がり、それに向かってのシンポジウムを開催することになったのです。」

 本日の講師については、「金岡氏は独特の思いから仕事を進めておられますし、我々と共に社会実装していただくということで、(一社)日本みどりの研究所を一緒に設立させていただきました。智の木協会の思いを担っていただく組織として発展させていただければ嬉しいです。また、みどりのサンタアンバサダーとして、世界中を走って活躍していただいています。本日のお話も大変興味深いものと期待しています」と紹介されました。

講演 緑・匠 又右衛門(金岡信康氏)
(有限会社 薔薇園植物場 代表取締役 社長)

タイトル:「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」

1.バラエングループとは

(有)薔薇園植物場が中心になって、花卉園芸全般の卸売りを軸にして、関連会社4社と共に環境関係、植物工場、デザイン事業など植物や自然に関わる仕事にチャレンジしています、と現状を説明されました。

 薔薇園植物場は、初代金岡又右衛門氏が宝塚で明治13年に創業され、明治中期にかけて宝塚のまちづくりにも大きく関わられたそうです。昭和初期になると、2代目金岡喜蔵氏が宝塚で薔薇の生産に深く関わられ、海外への輸出、国内での通信販売を積極的に行われたそうです。昭和中期・後期には、3代目金岡信也氏が、業界に先駆けて量販店との取引を開始されました。信康氏は昭和後期に入社され、その頃は切り花、小売部門の担当でしたので、先ず、量販店に対する物販のための加工工場を設立、その際に全ての事業の見直しを行い、切り花の中卸ローズガーデンを立ち上げられたそうです。生産者の安心・安全な花卉生産を目指して、アースフィール設立、その時期にはまた、ガーデンデザインなどを行うNob’sデザインを設立されました。

 約12年前にバラエン植物場の代表に就任された金岡氏は、鉢物卸のローズガーデンプランツ(株)を、約6年前には植物の輸入を行う貿易部を、平成27年にはガーデン空間デザインの会社、Tea’sデザインをと意欲的に設立され、これを機に開拓者であった初代又右衛門の名前を借り、気合を入れて活動を始められたということです。

2.又右衛門とは


ご自身は、金岡信康は経営者として、又右衛門は各地を回る人間として展開しています、とおっしゃる金岡氏。その切り替えは私ども凡人もぜひ見習いたいものです。

 又右衛門としての活動は、植物や現地の人を第一に、植物の命にこだわりを持つこと、世界を回り植物や現地の人、生産者と直接触れ合いながら思いを共有することを第一に考えておられるそうです。

 ご自身の進むべき道の指針となっているのは、先代、先々代の言葉であり、精神的にも体力的にも厳しい時期を乗り越えさせてくれたと申されました。先代は、「お前を育てたのは社会なので、社会に恩返ししなさい」と。また、先々代が戦時中の厳しい中で、昭和16年に発行されたバラエン植物目録第三百七十六號に以下のことを記載していることを胸に抱き、世界へ船出しましたと述べられました。「物は貧しくなっても心まで貧しくすることは、世界をリードする大国民らしくない」「~~追いつめられるべきではなく、どこかに余裕を残しておくべきであろう」「国民的基礎の上に立つ生産的な文化政策、健全なる娯楽の必要さは今日痛切」「~~ますます優秀品の生産や新種の作出に無報酬の努力こそ、我々に課せられた公栄有る職域奉公と~~」、つまり、「歴史を継承しこれを発展させて次代の日本国民へ譲り渡すべき重大な役目がある」と。

3.世界の感動を日本に

1)世界の植物

世界のユニークな植物輸入を始められて僅か6年ですが、国際ルールに法りパートナーを公開して貴重な植物を取り扱い、活動している日本では数少ない企業と自負しておられます。金岡氏の活動は、現地で生産者や専門家から高い評価を受け、スペインで3社、オーストラリアで3社の世界を代表するナーサリーの日本総代理店、正規代理店として認められているそうです。
 金岡氏は、輸出入のライセンスを取得して生産者の権利を保護し、その価値を高めていこうとしておられます。

①スペインを代表するナーセリーは、オリーブやデザットプランツ、ユニークな植物を送り出すために、日本向けの管理施設に「又右衛門エリア」を設けてくださり、素晴らしいパートナーシップが出来上がってきています。そのパートナーシップは現在の活動の礎になっていますとお話になりました。
 スペインといえばオリーブ、樹齢約100年、300年~1000年位の古木、その存在感と花言葉がすてきということもあり、最近多方面から問い合わせがきているそうです。

ユッカ ロストラータ「ブルースワン」:
葉が広がるこの姿を「ブルー・スワン」と名付け、専門家から高い評価を受けた。現在の、日本で流通している同様の植物の80%がメキシコ産だが、それに比べてスペイン産は明らかに品質が高い。

ユッカ ロストラータ ヒドラ:
この名前の由来は、ギリシャ神話に登場する9つの頭を持つ大蛇、ヒドラに似ているところから来た。

ユッカ リギタ、ユッカ フィリフィラ:
耐寒性があり、-20℃くらいまで、また、水もあまり必要ないなどの特徴を持つ品種。
アガペ:人気で確保が難しくなってきており、大型のアガペはなおのこと入荷が難しく問い合わせが多い。

③オーストラリア

「オーストラリアでもビジネスパートナーと仕事の枠を超えたお付き合いがあります」と金岡氏。海外ではペーパーでの契約のみならず、家族的な付き合いができ、植物の購入の際に反映されているそうです。

グラスツリー:
日本へ移される時には土を全て落とす必要があり、その際に菌根菌も全部落ちてしまい、輸送は大変難しかったが、両国の研究者と提携し成功させることができた、と金岡氏。グラスツリーは1年に1㎝位の成長速度で、現在、大きさが1m以上のものの海外への輸出ができないという規制がかかっており、このような大きなグラスツリーが置かれていることは、自分たちが世界でもトップクラスだと言っていただける、と金岡氏。

ボトルツリー:
オーストラリアのシンボリックな木の一つで、愛らしい形状は多くの人の注目を集めている。

ツリーファーン類:
日陰と水が好きな植物で、活躍できる場面が多くあり、最近人気が高まっている。

サイカス(ソテツ類):
ほぼ全種ワシントン条約の規制対象品種になり、動物に例えるならばオランウータンやパンダの部類で、商業目的の輸出入は法律で禁止されているが、種から育てたという証明と輸出入のライセンスを持っている事業所は輸出できる。金岡氏のパートナーはライセンス保持者のため、法的に認められた形で輸入ができる。

サイカス(マクロザミア ムーレイ):
300年に1メートル位しか育たない貴重な種類。紹介されたサイカスは樹齢約1000年。木肌が黒いのは、山火事の跡で、山火事に遭っても生き延びるとか。現在豊中の植物場に40~50本置いてある。

バオバブ(アダンソニア グレゴリー):
マダガスカルに8種類、アフリカに1種類、オーストラリアに1種類ある。
その他の国々からもユニークな植物が日本向けに用意されている。

2)輸入するための手順、現地での活動

 現地の人に任せっきりになることが多い中、金岡氏は現地に出向き一緒に作業を行うとか。分からないことがあまりにも多いからだそうです。

①採取:できるだけ日本の気候に近い環境のものを採取するように心がけている。

②洗浄:日本に入れるためには、土は一切付着していてはいけない。根の強い植物は高圧洗浄できるが、弱い植物ではホースで水を流しながら土を落としていく。場合によってはハケで落としていくこともあり、1本の木に数日かかることもある。

③養生:そのままラッピングして日本へ送る業者もある中で、金岡氏は土に代わるピートモス等に植え込み、発根したかを確認後輸送。1年位かかりコストアップになるが、輸送中や日本到着後に枯れるようなことがほとんどなくなった。

④輸送:飛行機かコンテナを利用、常温であるいは冷蔵保存で運べるコンテナがある。規格外の大きさのものを運ぶ、フラットラックという種類もある。コンテナでも、船でも(船底と甲板では温度が異なるため)温度調節についていつも指示する必要がある。

⑤入国:ヨーロッパからは約40日、オーストラリアから約2週間かかって入国する。コンテナヤードで蓋を開けて以上がなければ本検査へ。倉庫へ移して植物の品種によって異なるが、30~50%抽出しての検査。鉢から全部抜き根を細かく見ていく。

チェック項目 1.害虫 2.病気の有無 3.土の付着

害虫の場合は燻蒸処理する。最も困るのは、土が付着していたという場合で、1本でも土が付いていたら残り全ての検査になる。全部洗って土を落とすという作業になるが、実質日本に着いてからは洗うことができない。理由は、洗い流した土が排水溝を通って日本に上陸してしまうため。

⑥養生→品質チェック→出荷:順次植物を出荷。

⑦この春に来た植物:
 パラグアイ産 バラボラッチョ
 スペイン産  1000年オリーブ 豊中で養生期間に入っている。


4.日本の感性を世界へ

1)海外での活動


 時代の流れとして、世界の多くのデザイナーは、草花や木を鑑賞することを主としたデザインを発表して、それが評価を得ているとのこと。そこで金岡氏は、日本人として先人が残してくれた日本文化を再構築し、そういうコンテンツのデザインを世界へ向けて発信したいと思っておられます。3年前に立ち上げられたTea’s Design の活動のムービーの紹介がありました。写真、音楽、歌、全て又右衛門チームメンバーだそうです。

①2016年4月、ベルギーで開催の王立園芸協会主催の花の展覧会に出展。5年に一度の祭典で、200年以上の歴史があり、ランドスケープに重きをおいた祭典。
海外の変わった植物を使い、その中に日本人の感性、光や陰を使った提案をし、外国人部門で銅メダルを獲得。

②2016年、Watahan(綿半)という企業のスポンサーシップのもと、世界最高峰のガーデンショーと言われる、英国王立園芸協会主催の Chelsea Flower ShowにYano TEAがメインデザイナーとして参加。3つのカテゴリーがある中、ショーガーデン部門へ出展し、シルバーメダルを獲得した。ショーガーデン部門は、Chelsea Flower Showでも最も花形の部門。日本人ではまだショーガーデンでは金メダル獲得者は無い。

③2016年 Seoul Garden Show
ソウル市長からチームのデザイナーが特別招聘を受けて、メインガーデンのデザインを行った。金岡氏が植物のプロデューサーとして参加。全面にソウル、背面に東京をイメージして作庭した。ソウル市の花コスモスを多く使った。日韓ワールドカップ記念公園内に永久的に保存されている。

④シンガポール ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
世界を代表する植物のテーマパーク。ここには世界中からユニークな植物が集まって来ている。ここに植物を供給しているサプライヤーがパートナーであることから、彼らと活動することで世界的なネットワーク規模で植物調達が可能になっている。又右衛門チームも、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイに多くの植物を輸出したりイベントのプロデュース提案をしている。大型の植物、ツバキ、サクラ、ドウダンツツジ、ボタン等の輸出、特にボタンは高い評価を得ている。モクレンなどの樹木、チューリップ、ベゴニア、トルココキョウ等の切花も多く輸出した。シンガポールだけでなく、各国からの訪問者に日本産の植物のすばらしさを分かってもらった。

2)輸出プロジェクト

① 華道書道の若い匠を支援しながら、独特の空間を作り上げて世界へ発信していこうとしている。

② FOREST FARM
「おかあさんといっしょ」の番組や無印良品のイベントにも採用されてきたプログラムがあり、これらは海外でも非常に高い評価を受けている。このような自然環境学習プログラムによって、世界中の多くの子どもたちが自然に関わりながら学べる機会を作っていくことによって、次世代でも一つでも多くの大切なことを伝えていきたいと思っている。

③ 植物系の建築を進めている国が多くなっていることについて、「植物の必要性を感じているからではないか」と金岡氏。そして、小林代表幹事がずっとエデンプロジェクトを理想として掲げていることから「うめきたのような所にも近い将来このような建築物が造られることを望んでいる。我々も先生の力を借りながら更に進化させた形で実現にむけてやっていきたい。世界中で仲間と植物とを融合させ、世界に胸を張って紹介できる植物を育てていきたい」と抱負を述べられた。

5.国内の様々な活動
  • ウッドデザイン賞の受賞
  • IOCバッハ会長の名誉博士号授与式記念植樹で。現役の選手のオリーブの冠を香川県の生産者の方々と一緒に作った。
  • 大阪堂島リバーフォーラムで開催された、team Lab. Jungleというイベント。
  • オーストラリア大使館で開催された Australlia Day in Spring
  • 普段はコンクリートの打ちっぱなしの無機質なエントランスに、オーストラリアの風景をという依頼を受け、プロデュースした。
6.国際交流プロジェクト

1)命をつなぐプロジェクト バオバブ編:日本最大のバオバブ移植プロジェクト。
 以前からオーストラリアでは大規模な開発が行われており、その地域でバオバブが伐採されてしまうため、金岡氏は現地のパートナーの協力を得てオーストラリア国内で一旦移植されたそうです。日本の気候ではバオバブは生きられませんが、広島市の植物公園の大規模温室のリニューアルオープンに合わせて、そこで受け入れ可能との情報が入り、日本の環境に合うバオバブを見つけられました。枝を全部落とし、5~6時間かけて重機で根を掘り起こし、洗浄や殺菌消毒を行う施設に送り、慎重に作業を進め、洗浄後、2か月間乾かし、完全にラッピングして日本へ輸送されました。約2週間後大阪港へ着き、検査合格後広島へ、無事植栽を終えられた金岡氏。このプロジェクトには2社のテレビカメラがオーストラリアへ同行し、密着取材し1時間番組にして放映されました。6月には秋篠宮殿下が訪問され、金岡氏が説明されたそうです。

2)マダガスカルプロジェクト
 厳しい生活環境の中で人々は世活のために固有種の栽培、許可されていない植物の採取、炭にするなどし、急速に自然破壊が進んでいることをお話になりました。150円稼ぐために180kgの木を焼きCO2を出して炭をつくり換金している現状を目の当たりにして、金岡氏は木彫り製品を作ることにより150円を稼げるプロジェクトを立ち上げられました。本日の参加者へのお土産の木彫り製品こそがそれです。「皆さんの支援こそが彼らの生活の支援になり、環境保全に繋がります」と金岡氏。
 現地では他にも大人や子どもに雇用を創出し、学校も作っている人がおられ、彼らが作った鉄製品も近々日本に並ぶようになるそうです。

7.今後の展開

これまでに「社団」テラプロジェクトの専門委員として精力的に活動を続けてこられた金岡氏、みどりの研究をするために、東京農大に隣接する進化生物学研究所で学ばれることになられたそうです。更に、みどりの力を最大限に活用し、社会実装のための研究をしていく(一社)日本みどりの研究所を小林昭雄理事長の支援の元、立ち上げられました。
 「みどりのサンタは赤いサンタと異なり、植物の素敵さを伝えるために、365日活動することができる」ことから、「このような機会を通じて植物からのメッセージを伝える活動を大切にしていきたい。海外でもその活動を伝播するために、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなどを訪れ、シンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは、多くの国々の人たちと話をすることができました」と述べられました。

8.世界を舞台に活動するチームづくりをめざして

 マダガスカルでは、子ども達と植林活動をされた金岡氏。彼らには、誤った道を進んだ先進国のやり方を繰り返してほしくない、この素敵な自然を守りながら歩んで行ってほしい、もし、先進国と同じ道を歩みそうになった場合には、それを止めることができるチームや人間にならなければいけないと力説されました。
 「外国語は話せません」とおっしゃる金岡氏ですが、世界中30か国以上を訪れて人々と繋がり支えていただいている、と述べられ、話すことができない植物に出会うことで植物から多くのことを学び教えてもらった、と自信を持ってお話になりました。植物は酸素を作り出し、自分の一部や全てを差し出して野菜や果実として私たちに食を与えてくれている、衣食住、薬草までも、無言で当たり前のように全ての命の継続を支えている、と明言されました。

9.最後に

「今後も、植物、緑の力・すばらしさを、そして植物からのメッセージを世界の舞台で発信していきたい。本日皆さんに会えたのもみどりのお陰だと思っています」と謙虚におっしゃいました。世界中を回られることで、これだけ最先端の力が発揮されても、経済力があっても戦争や環境破壊は無くならず、厳しい地球環境を目の当たりにされることが多く、今後はみどりの力を最大限に生かしていきたい、みどりの力によって地球をデザインしていきたい、と抱負を述べられました。
 金岡氏のみどりに対する考え方、行動、全て、植物に携わる職業人としてよりも人間として植物に畏敬の念を抱かれる姿勢に頭が下がります。
 日本では、あまりにも植物が周りに繁茂し、むしろ草刈りや除草の大変さが身に染みて植物の持つ力やその偉大さ、大切さを忘れてしまっているところがあります。世界の実情を考え、今一度植物について、植物の力・偉大さに気づかされるご講演でした。

閉会のご挨拶
智の木協会 企業会員 スシックスジャパン株式会社 代表取締役 三嶋 浩義 氏

「柿の葉寿司の会社です」と自己紹介されました。小林代表幹事との接点は「柿の葉ってみどりだねー」ということから発展し、発想豊かでいろいろなことをおっしゃるそのことが、どこかで生きてくるとの思いで智の木協会に入会しました、とお話になりました。
 柿の葉寿司について、「葉には抗菌作用があって、先人の知恵で柿の葉で寿司を押すことにより空気を出し、鯖を酢でしめると長持ちしますので、江戸時代頃から作られてきました」と説明されました。また、北新地で開発された「5種のいなり寿司」について、交流会でも準備していただきましたので味わってください、と報告されました。

交流会の様子

コメント

コメントする

CAPTCHA